「楽しく盛り上がる」ということと、「安全性」の両面を確保することは意外に難しいです。子どもの頃の遊びを思い出してみても、ハラハラどきどきする遊びは少し危険が潜んでいた気がしませんか?しかし、子どもたちのスポーツ指導では、怪我を減らす最大限の努力が行われるべきです。

今回はよくありがちな怪我を例にとってみましたので、ご参考にしてください。
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意外と危険?な鬼ごっこ。
エリアを区切っての鬼ごっこやボール当てなどはウォーミングアップにもなりますし、楽しく、状況判断しながら体を動かす良いトレーニングです。しかし、同時に衝突の危険が高いことを認識しましょう。

慣れていない子どもは鬼を見ながらしか走ることができず、同じく鬼を見ながら逃げている子とぶつかってしまいます。特に鬼が近くにいて、興奮した状態で逃げ出す場合は「鬼と自分の動き」に精一杯で、「周りの動きや走り抜けるルート」を探すのが疎かになってしまいます。

このようなメニューではコーチがエリア内に入り、声をかけながら障害物の役割を果たすことで、自然とエリア内のランニングスピードが落ち、衝突の危険が少なくなります。また、万が一の衝突を考え、体格差のあるグループを一緒のエリアに入れることは避けましょう。


ボールを2つ使うメニューにも注意!
鬼ごっこの例と同様に、ボールを2つ以上使って視野を常に動かしながらプレーすることは、判断力を養うのにとても良いメニューとなります。しかしこちらも同様に、2つの違ったボールでプレーしているため、予期せぬ衝突の危険があります。

こういった特に集中力を必要とする練習は、その日の練習の前半に持ってくるようにして、子どもたちの集中力の切れを防ぎ、衝突の可能性を下げましょう。コーチは積極手に声をかけ、プレー時間も短く区切る工夫をすることで、安全性を高め、より質の高いトレーニングができます。
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ラインワークは衝突が少ないメニューだけど・・・
衝突のリスクが少ないメニューとしてはラインワークなど、あらかじめ走るコースが決まっているメニューがあります。このような練習ではボールタッチの感覚やランニングスキルを上げるのに役に立ちますが、一方で状況判断する練習にはなりません。

やはり状況判断を伴う練習では、実際の試合の状況と近い状況を作ることとなり、衝突のリスクも出てきます。リスクを知った上でそれを減らす工夫をしたいものです。

転ぶ、足をくじくなど、自分で怪我をしてしまうのはウォーミングアップや体の使い方を学ぶことで防ぐことができます。一方で相手とぶつかる、ボールがぶつかる、というのは相手やボールがあっての怪我です。これは状況判断をすることで予防できる怪我で、また、コーチの練習メニューの工夫で怪我の頻度を大幅に減らすことができます。

「スポーツを行う上で怪我は仕方のないもの」と割り切らず、リスクを減らす工夫を行いましょう。それでも怪我が起きてしまった場合は、原因を考察して他のコーチとも事例を共有しましょう。